6曲目ちっぽけな感傷
「ちっぽけな感傷」
1974年9月1日
作詞:千家和也
作曲:都倉俊一
週間オリコンランキング3位
この曲も前回に続き、短調(ハ短調)とジャケ写に笑顔がない形は継続しました。
その一方で、受け継いでいない点も2つあります。1つ目は、青い性路線ではなく、普通の恋愛ソングになったことです。性的なことを連想させる言葉や場面は全くなく、恋人と喧嘩した少女の心を歌った歌詞になっています。今まで、初恋の初々しさを感じることができる歌詞が多かったので、しばらく関係が続いた挙句、喧嘩をするといった山を迎えたのでしょう。2つ目は季節路線から外れたことです。春風のいたずら→ひと夏の経験、春→夏と続きたので、秋に関係する歌かなと思わせておいて、季節感がない曲が発表されました。 「山口百恵 赤と青とイミテーションゴールドと」という本によると、プロデューサーは裏切りをテーマにしていたそうです。今までなら、アイドルにはタブーの性を連想させる曲を歌わせたり、短調にしたりといった感じです。つまり、この曲も新たな「裏切り」の形として、季節路線から外れた曲にしたそうです。
http://j-lyric.net/artist/a0013c2/l0066ea.html
【気にな言葉】 なぜ愛されちゃいけないの
→愛することができない。ならわかりますが、受け身である愛されることを否定しています。
【主人公の願望】 あなたを嫌いになりたい 私を憎んでほしい 今すぐに消えて私の目の前から
→自暴自棄。なぜなら、このまま続くと二人は全てを無くしてしまうから。2人のためにも恋人であり続けることはやめたほうがいいことに気づきました。
これらを踏まえると、なぜ愛されちゃいけないかがわかります。それは、私と恋人関係になると不幸になるよと自暴自棄になってるから、思いついた言葉なのです。
この心境の歌詞。男ウケするのでしょうか。私はそんなしないと思いますが、オリコン3位と高めなのが興味深いところです。
【今日のまとめ】
・2つの継承と2つの裏切り
・自暴自棄
・スタンスを変えても順位は良い