山口百恵さんを考える

現役大学生が山口百恵さんについて考えます。

4曲目春風のいたずら

「春風のいたずら」

1974年3月1日

作詞:千家和也

作曲:都倉俊一

週間オリコンランキング11位

https://youtu.be/MWk42BUlspg

この曲は「青い果実」「禁じられた遊び」と2曲続いた青い性路線と違い、普通の恋愛歌です。ただし、やっぱり踏襲してることが短調であることです。この曲もト短調です。

リンクを貼ったYouTubeの動画を見ればわかりますが、ほぼ無表情で、踊りもダンスもなく、同じ体勢で歌い続けていることがわかります。これはプロデューサーから言われたのか本人の意思かはわかりません。現在のアイドルは歌いながら踊りや振りが あることがほとんどだと思います。これを踏まえて、私はアイドルはなぜ踊るのかという疑問がわきました。アイドルは顔が整っている、歌がいい、歌詞がいい、踊りがいい、衣装がきれい、表情がいい、面白いなど歌に対して多くの付加価値をつけることができます。最近のアイドルは、これらのほとんどをフル活用しており、好みの多様化に対応していると私は考えます。一方で、山口百恵は現在のアイドルよりも付加価値の種類が少ないことがわかります。ということは、一つ一つに対する割合が必然的に大きくなり、歌い方や歌詞にファンも自然と重点を置くことになります。例えば、曲調が良い、歌詞がいい、踊りが上手い、一生懸命さが伝わる、ブログが面白い、の5要素が売りのアイドルがいるとします。そうすると100点満点で考えるとファンの評価項目はそれぞれを均等に割り当てると20:20:20:20:20になります。一方で山口百恵は、曲調が暗い、歌詞がいい、表情がいいの3要素が初期の頃の売りでした。これは33:33:33+αと一つ一つに対する評価点が高くなることがわかります。つまり、現在のアイドルよりも歌詞をよく見られている、重点を置く必要があるのです。

アイドルは、付加価値をつければつけるほど好みが分散化して、付加価値をなくせば好みが限定的になる性質があります。

http://sp.utamap.com/showkasi.php?surl=F01774

【女の子の人物像】 寒いわ、怖いわ、の連呼。つまずいて、よろめいて、とフラフラな状態→弱い女の子

【季節】 もちろん題名からして春。しかし、春は暖かいイメージを持つはずなのに、寒さをあらわすフレーズが多い。(寒いわ、風が吹く)主人公の女の子は「こんな時こそあなたにいてほしい」と連呼している。→春の暖かさと彼の温かさをかけているともいえる。主人公のか弱い女の子は、春と彼のあたたかさを待ち望んでいる。

歌詞のメインテーマは、青い路線から変更しているものの、主人公は相変わらず、弱い女性です。男に忠誠を誓っています。やっぱり恋愛至上主義者で、男と喧嘩しただけでフラフラになるメンヘラというイメージです。この主人公が現在に生きているのなら、むちゃくちゃSNSに病みツイートしているのが想像できます。つまり、当時はメンヘラがウケると考えられていた時代であることがわかります。今の若者からすると、めんどくさいというイメージを持つので、この歌詞はあまりウケない気がします。当時だったから受け入れられた考え方の歌詞だと思います。

【今日のまとめ】

・踊らないから歌詞が見られる

・青い性路線からの転換

・やっぱり、女性像は弱めのメンヘラ